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【レース回顧】菊花賞 2024~最後の一冠 アーバンシック~

競馬コラム

稀に見る激しいレースで、不利受けや展開次第でいくらで結果は変っていたように思いますし、特殊なレースに思うので振り返りも意味があるか疑問も、この展開での回顧をしていきます。

1着 アーバンシック
セントライト記念も完璧な立ち回りで春からの成長著しかった馬。前走は全てが上手くハマり過ぎた感もありましたし、まだ気性面も半信半疑で関西輸送も気にしていたのですが全て杞憂。

ルメール騎手の立ち回りが120点だったのもあるが、当日パドック~ゲートまでイレ込む仕草見せずに完璧に指示に従えた本馬の能力も高い。距離の壁も懸念していましたが、中緩みせず中間でラップ上がり、後半も流れたままのスタミナ比べになっても2 1/2馬身差離しての快勝。文句なしの菊花賞馬でした。

父スワーヴリチャード譲りの頭の高い走法で最後伸びきるのか…と感心しましたね。武井亮厩舎、GⅠ初勝利おめでとうございます。

2着 ヘデントール
過去レース見て行くと確かにこの中でも通用しても…の片鱗は見せていましたけど、そこまで評価できる逸材かは疑問でした。ゲート課題や折り合い面の不安もありますし、その点で3000mと二度の坂越えこなすのかなと。心配も杞憂で、ゲート入りはしばらくごねていたものの、いざレースが始まればかかる素振りもなく。

ルーラーシップ×母父ステイゴールドとスタミナ面は心配なしのような馬ですが、強烈な配合に思います。木村哲厩舎ですしね、躾がなっていたか。ここは最大の見誤り。

レースは後方からゆったり運び、内前でごちゃつくなく我関せずストレスなく走れていましたね。2度目の坂越えのところで少し力む面は見せたものの、アーバンシックの斜め後ろ絶好位を確保。人馬共に上手く立ち回っていました。折り合いさえつけば長い脚使える馬ですからね。

3着 アドマイヤテラ
まぁ…武豊騎手が上手いとしか言いようがないです。ルメール騎手・武豊騎手についてはレースの流れ読みきってたようにすら見える。その後ろついて回った戸崎騎手も賢明ですし、外枠は外へ振られるリスクもあり有利ではないですが、今年に関してはゴタゴタに巻き込まれずでラッキーでもありました。

ダノンデサイル、コスモキュランダが先団にいない時点で目標はアーバンシックに絞られるわけで、決め手比べになれば本馬は分が悪いので早めのスパート。仕掛けのタイミングもバッチリだったとは思いますが、決め手の差。この馬は過去レース見ても追えば追うだけ伸びるようなタイプで、将来3000m以上のレースで活躍してくれそうで楽しみです。厩舎もいいですしね。

4着 ショウナンラプンタ
私情も混ざりますが、よく頑張った!鮫島駿騎手&ショウナンラプンタ!と言ってあげたい。結果は残せなかったものの、デビューからスタートは上手くない、外へ張り気味で真っ直ぐ走れない、力みもキツい…この中で神戸新聞杯→菊花賞と迎えて直線見せ場十分のところまで食らいついたのは胸が熱くなりましたね。

まだここぞのところで物足りないな…と思う時もあるのですが、鮫島騎手にはGⅠ獲ってもらいたい。一生懸命取り組んできたのが伝わる騎乗でした。

私情抜きにフラットで見る回顧を。
スタートは五分、「1度目の坂越えが鍵、丁寧に回りたい」と鮫島騎手も仰っていたように慎重に回ってきましたね。馬群中の位置どりになったので多少の力みは見られたものの、手綱もそこまで締めることなく運べていましたし折り合いついていたかと思います。

2度目の坂越えの方がよりスムーズに回れていましたし、アーバンシックを斜め前に見ながら最大限の競馬はしたかと思います。

2度目の坂下って4角のあたり。ルメール騎手のエスコートがスムーズすぎて、ここでわたしはアーバンシックの手応えからも決まったな…と思いましたが、ここで置かれないように進路も確保しながらインに切り込んでいったところ好きでしたね。ここまでやれただけでも十分な内容。

GⅠとなると武器が足りないように思うので、今後は上がりのかかる2000m以上のレースで活躍できるのではないかと思います。砂かぶりが平気なら血統面からダートでも見てみたい気もしますが。

5着 ビザンチンドリーム
本馬もスタート出なかったり、後方からで進路がなく大外回したりと大味な競馬も多く、上手く立ち回れない弱みあり。前走神戸新聞杯も後方からになり、最後進路なく馬群割っていくような馬でもないので中京では御法度の大外ぶん回ししていましたが上がりはいい脚持っています。重賞でも通用するだけの脚だと思います。これを活かせるようになるのはもう少し時間かかりそうで、成長を見守りたいタイプ。

2度目の坂越えから4角のところ。この時点でこの馬込みの中にいては既に無理でしたが、ここで馬の間に挟まれてブレーキかけて、躓くアクシデント。そこからすぐに立て直して上がり最速で伸びてきているのですから、進路がしっかり確保できていれば…とも思える内容。ポテンシャルは高いと思うも不器用さが改善されて成長してきたらまたどこかで。

6着 ダノンデサイル

結果出てしまえば、ダービーからの直行ローテがダメだった、馬体も成長して筋肉量も増えての+18kgで初距離の対応は無理だった…という意見も出ていました。それも正解なのかもしれないですが、レース経験の浅さも影響あったように思います。

スタートから良い位置取り過ぎたのもアダになったようにも思いますが、1周目スタンド前出入りが激しくなったところで下げたというか、下げざるを得なくなったというか…2角過ぎて向正面ではかなり位置を下げ、その間にアーバンシックはするする前の位置とっていましたからね。

あそこから巻き返すのは絶望的だったかなと。それでも直線目一杯追って上がり2位の35.5秒。完璧に立ち回ったアーバンシックには完敗も、2着馬とは0.3秒差まで詰めたのはダービー馬の意地。馬のこと思ってノリさんももうこのままズルズル行って無理させない選択もするかなと思って見ていましたが、最後まで諦めずに追ってくださりましたね。若手でもしんどいと思われる長丁場、二冠かけて人気も背負って頑張ってくださった姿に感動しました。今回は運がなかったです。動きが読めない馬が多すぎた。

馬体も随分成長したので、それがフィットしてくるようもう一度立て直してまたダノンデサイルらしい走りを見せて欲しいです。ダービーはそこまでに究極につくってしまうので、その後不振に陥るタイプの馬もいますが、デサイルには成長して乗り越えて欲しい。

7着以下は前と7馬身差。折り合い欠いたり、長丁場の適性以前の問題の馬も多く評価できるのは6着の馬まで。人気背負いながら9着に沈んだコスモキュランダについてだけ触れます。

スタートはいつも通りのそっと出て、少し気合つけて前に。スタート分リカバリーに促したせいか、1度目の坂越えのところで頭上げてしまいかかってしまっているんですよね。この後は内に入れてリラックスさせることに専念し、後方待機。3-4角あたりから外に出して、いつもの捲り態勢に入るのですが前方に既にアーバンシック・へデントール・アドマイヤテラ等がいましたし、捲り入れるならもう少し前の位置でないと厳しく。

アルアイン産駒の距離の壁なのか、本馬については牝系もスピードタイプになるので長丁場向きではないという見方も出来るのですが、前半からリズム悪く4角促した時もスッと伸びていく感じが見受けられずで、M.デムーロ騎手も「追い出してからフォームがバラバラになり、何かあったのかと心配」とコメントしているように、最後伸びてくるところがなく、動きもスムーズではなかったです。

スタミナ切れから上手く走りきれなかったのか、京都に対応しきれなかったのか。セントライト記念に続き、今回も追い切り軽めではあったのですが、ちょっと春に9戦使ってきたのとダービーに向けてハードトレーニング続けてきた代償がここにきて響いてきた感もあり。少し足りないと思っても、クラシック目標にやってきた馬ですし参加しない選択肢もなかったでしょうしね。

初速速くないので短い距離では足りないと思うも、長すぎても捲り切れない感があるので1800-2000mあたり、中山がベストなのかもしれないです。有馬記念でこの馬面白いかとも思っていたのですが、ダービー・セントライト記念・菊花賞と見ると2500mもどうなんだろう。いずれにしても一度しっかり疲労をとって立て直してもらいたい。

勝馬当子
勝馬当子

最後までお読みくださり有難うございます!
最終見解はYouTubeまたはnoteで配信しますのでそちらも併せて宜しくお願いします。

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勝馬当子
勝馬当子
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